起立性調節障害の子が感じている「見えない疲れ」
起立性調節障害(OD)の子どもたちが口にする
「なんだかずっと疲れている」
「何もしていないのにしんどい」
という言葉。
しかしこの“疲れ”は、周囲からはとても分かりにくいものです。
熱があるわけでも、ケガをしているわけでもなく、見た目は元気そうに見えることも多いためです。
1. この疲れは「サボり」ではありません
起立性調節障害の疲れは、
体を支える基本機能そのものが常に不安定な状態で起こります。
こうした「当たり前の動作」をするだけで、体は人一倍エネルギーを消耗しています。
本人は常に、
「倒れないように」
「気分が悪くならないように」
無意識のうちに体をコントロールし続けているのです。
2. 「何もしていないのに疲れる」理由
起立性調節障害では、自律神経の調整がうまくいかず、
- 血流が安定しない
- 脳や内臓に十分な血液が届きにくい
- 体温・心拍・血圧の調整に余計な負荷がかかる
といった状態が起こります。
これは例えるなら、
エンジンの調子が悪い車で、常にアクセルを踏み直している状態。
外からは走れているように見えても、内部では大きな負担がかかっています。
3. 周囲に理解されにくい「見えない消耗」
起立性調節障害のつらさは、
- 朝が特につらい
- 午前と午後で体調が大きく違う
- 日によって波がある
といった特徴があります。
そのため、
「昨日は元気そうだったのに」
「さっきまで普通だったよね?」
と言われてしまうことも少なくありません。
ですが、
調子が良く見えた時間帯も、実は無理をしていた結果であることも多いのです。
4. 子ども自身も説明できない疲れ
さらに難しいのは、この疲れを
本人がうまく言葉にできないことです。
結果として、
「分からないけどつらい」
という表現になり、誤解を生みやすくなります。
5. 大切なのは「見えない前提」で接すること
起立性調節障害の子に必要なのは、
- 頑張りを評価されること
- つらさを疑われないこと
- 体調の波がある前提で見てもらえること
です。
無理に励ますよりも、
「今日はここまでで十分だね」
「今は休む時期だね」
と認めてもらえるだけで、体も心も大きく楽になります。
まとめ
起立性調節障害の子どもが感じている疲れは、
目には見えないけれど、確かに存在する消耗です。
理解されにくいからこそ、周囲の大人が「見えないものがある」と知ること。
それが、回復への大きな支えになります。
※次回予告次回は「起立性調節障害の回復を妨げる“無理の積み重ね”」という視点からお話しする予定です。