「仕事帰りのスーパーで、カートを押している手が震えてくるんです」
先日、仙台市泉区にお住まいのS・K様(54歳・介護職)から、切実なご相談をいただきました。
「夜勤明けや、入浴介助で疲れた日の夕方、夕飯の買い出しに行くと、入店して5分くらいで床がフワフワ沈むような感覚になります。
レジ待ちで並んでいると、『もしここで倒れたら』と動悸がしてきて…。
仕事中は気力で保っているんですが、スーパーに入った瞬間にガクッとくるんです。」
実は、S・K様のように「仕事(介護・看護など)では責任感で動けるけれど、プライベートの買い物中に症状が出る」というケースは、12月に急増します。
この記事では、なぜ責任感の強い女性ほどこの症状が出やすいのか?医学的な理由と、S・K様も実践した対策について解説します。
▼ この記事の目次
まずは、あなたの体に何が起きているのかを整理しましょう。
これは「陳列棚めまい」や「スーパーマーケット症候群」とも呼ばれることがあり、決して珍しいことではありません。

これらが一気に脳に入ってくることで、脳の情報処理が追いつかず、平衡感覚(まっすぐ立つ機能)が誤作動を起こしている状態です。
S・K様のお体を拝見して分かったのは、単なる寒暖差だけでなく、「職業病とも言える身体のロック」が原因だったことです。

介護のお仕事は、入浴介助や移乗介助など、常に「前かがみで踏ん張る」姿勢が続きます。
すると、首の前側にある筋肉(胸鎖乳突筋)がガチガチに固まります。
首は平衡感覚のセンサーなので、ここが固まると「地面の傾き」を正確に脳に伝えられなくなり、ふらつきやすくなります。

「仕事中に利用者様を転ばせてはいけない」という強い緊張感(交感神経)が続いたあと、スーパーに入ってふっと気が緩む瞬間に、自律神経がバランスを崩します。
これを「緊張の反動めまい」と呼びます。更年期世代はホルモンの関係で、この切り替えが特に苦手になっています。
もし買い物中に「あ、やばいかも」と思ったら、無理に我慢せず、次のアクションをとってください。
【その場しのぎの緊急リセット術】
実際に当院に通われたS・K様の改善プロセスをご紹介します。
同じような悩みを持つ方の希望になれば幸いです。
「脳神経外科でMRIを撮っても異常なし。でも怖くて一人で買い物に行けない」という状態。
お体を触ると、背中から首にかけて鉄板のように硬く、呼吸が非常に浅くなっていました。

当院では、めまいを止めることより「夜勤明けでも、寝れば回復できる体」に戻すことを優先しました。
「昨日は久しぶりに、不安なくスーパーを1周できました」とご報告をいただきました。
まだ人混みは少し苦手ですが、「クラっときても、深呼吸すれば立て直せる」という自信がついたことで、予期不安が激減しました。
現在は月に1回のメンテナンスで、お仕事も家事も元気にこなされています。
おのでら整体院では、「買い物に行けない」というお悩みに対して、以下のようなアプローチを行います。
多くの整骨院では「首が凝ってますね」で終わりますが、当院では「目の使いすぎによる首のロック」に着目します。
特に介護職の方は、常に利用者の動きを目で追い、足元に注意を払っています。
この「目の緊張」が首の後ろ(後頭下筋群)を固め、「目は動いているのに、頭がついてこない」というめまいの原因を作ります。
ここを解放してあげることで、「視界が明るくなった」「頭が軽くて、足がしっかり踏ん張れる」という感覚を取り戻していきます。
買い物中に立っていられなくなるのは、本当に怖い体験です。
S・K様も最初は「もう仕事も辞めなきゃいけないかも」と仰っていました。
ですが、それは「寒さと疲労に対する、体の一時的なエラー反応」であり、修正可能なものです。
性格の問題でも、一生付き合う病気でもありません。
「年末の買い出しを普通に行きたい」「家族に美味しいご飯を作ってあげたい」
その目標に向けて、まずは体の誤作動をリセットするところから始めませんか?